ローコスト住宅のポイント (わが家No.4「建築家の目から見たローコスト住宅のポイント」より)
お客様からの依頼で、よく耳にする言葉がまず「坪単価いくらですか」。また、「ローコまスト住宅を建てたい」と言うだけで、具体性に欠ける依頼では、建築士や工務店も困ってしまいます。

家を建てるということは、一般消費者にとっては一生に一度か二度しかない大きな買い物。事前に建築的な勉強をして、多少の知識を持ったうえで建築士や工務店に接する姿勢も必要だと思います。

また、安ければ何でもいいというわけにはいきません。低価格であってもバランスのとれた家を造るためには、自分の予算、間取りやスペースの希望 、どんなデザインにしたいのかなどの要望を具体的に相手に伝え、建築家や工務店とのコミュニケーションをとることが大切なポイントになります。

建物の建築費の大半を占める費用として、人件費があげられます。
これをコストダウンさせるには、建築物の構造および間取りの凹凸をなくして単純化し、それによって工期を短縮化させ、人件費をかけないようにするのが第一条件になってきます。また、材料においても強度を考慮に入れたうえで、耐久性を高めれば、低価格のものを使用することに問題はありません。

家のなかでよく視線に入る部分はデザイン性を高め、あまり見えない場所には手間と費用をかけないようにすれば、素敵な家づくりが完成すると思います。

ISAHAYA HOMEST
小村英人
基礎にかける予算は削らず、しかっりとした工事をしてもらうこと。
洋間仕様の部屋が多い場合、木工事で低価の構造材を使用しても強度的な面においては別に問題はなく、コストダウンをはかることができる。シロアリ対策や、耐久性を高めておくことの必要性を忘れずに。
使用する材料をなるべく統一し、工場で大量生産された企画商品を使用するのが安く仕上げるコツ。職人にとっても使い慣れた材料を使用することによって作業上のスピードアップにつながり、ひいては人件費をコストダウンすることができる。
シンプルな四角部屋で、建具が少ないほどコストは安くなる。例えばリビングやダイニングなどパブリックなスペースは、通路兼用となるように造れば廊下を必要とせず、間仕切りや建具が減り、コストダウンすることができる。
水まわりを集中させて設置し、一階と二階の配管がずれないようにする。
シンプルすぎてこだわりが感じられない部屋は、床や壁、天井にセルフビルドでオブジェ的な変化をつけるなど、自分自身で挑戦して人件費削減をはかる。
住宅設備機器は建築費の中でも費用がかなりかさむ部分。プロの目で見ると低価格のものでいいものは見受けられないのでショールームの展示品を購入するのもアイディア。定価の1/3程度で購入することができる。
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